「植物も生きてるんだよ?」系の攻撃にどう返答したら良いでしょうか。

食/ヴィーガン

投稿者:さん(22歳/女性)

わたしはつい数ヶ月前よりヴィーガンになりました。(なったというか、なろうとしている途中という感じです。)
わたしの家族は全員動物が好きで、生まれた時からいつも家にはペットがいました。
今も犬が2匹と猫が1匹います。
ある日、「わたしが日々食べているお肉となった牛や豚の命と、この子たちではなにが違うのだろう。」と考えはじめたら、今までのようにお肉を口にすることが出来なくなってしまい、ヴィーガンになることを決意しました。
最近はヴィーガンの方のブログやYouTubeをみて学んでいるのですが、そういう場所ではなぜかヴィーガンの方とそうでない方との言い争いが目立ちます。

わたしはまだ友達や知人に「わたしヴィーガンなんです。」と言ったことがないのですが、荒れているコメント欄を見ていたら怖くなりました。世の中にはこんなにヴィーガンという選択に否定的な人が多いんだと知り、意思表示する勇気が持てません。
めんどくさいやつと思われるのも嫌だし、ましてや攻撃の対象にされたら自分は性格的にかなりダメージをうけると思います。

ヴィーガンになる過程には、わたしのような「動物が好きだから、殺すのがかわいそう。」という入り口の方だけではなく、もっと色々な思想や状況があるということもわかりました。
悲しいかな、わたしのような一番単純な理由、つまり「動物がかわいそう」系がいちばん炎上率が高く、
「植物も生きてるんだよ?植物は殺してもいいんだね。」とか、
「じゃあお前は何も食べずに死ねよ。」とか、
なんでそこまで言われなきゃいけないの?みたいなコメントをかなり多く見ました。
わたしは別に押し付ける気もないし、きっと誰かと言い争うような状況にはならないと思うのですが、もしそういったような問いかけをされた場合どう答えるのがベストだと思いますか?自問自答しているのですが、なかなか腑に落ちる回答が自分でも出てきません。それに、素直に「動物がかわいそうって思っちゃったんだよね。」と答えれば、こちらにそんなつもりがなくても目の前にいる相手は肉食を責められているように受け取ってしまう可能性があります。

この問題が自分の中で解決できれば、内心ビクビクしながらこっそりヴィーガンを目指している自分と決別して楽になれるのではないかと思います。どうぞよろしくお願いします。

\ EDITOR’S ADVICE /

ヴィーガン系のコンテンツを徘徊すると必ずと言っていいほど“ヴィーガン論争”を目にするので、薫さんの相談とっても「わかるわぁ〜」って感じでした。なぜヴィーガン界隈にはぶっそうが付きまとうんでしょうね;

わたしごときではヴィーガン論争に終止符を打つような解決は出せませんが、薫さんを縛っている問題をせめて1つでも解消できたらいいなと、わたしなりの考察です。

投稿文の「意思表示する勇気が持てません」という一節がわたし的にとても気になり・・・
前提として、薫さんはなぜ意思表示をしなければいけないと思っていて、それにはなぜ勇気が必要なのか理由を想像しました。

A. ヴィーガンという思想は流布すべきものと思っているから
B. 秘密にしていると人付き合いで困るシーンが出てくるから
C. 完璧なヴィーガンでなければ表明できないと思っているから
もしかしたらもっと別の理由かもしれませんが、わたしが思いついたのはこの3つです。

意思表示はしてもしなくてもいい

まずAの「ヴィーガンという思想は流布すべきものと思っているから」について。
薫さんの情報収集源はインターネットですよね。そうするとどうしても、プロフィール欄でヴィーガンであることを明確にし、情報発信している人が多く目に入ることになります。 ヴィーガン=(イコール)活動家という認識になり、自分もそうあらねばと思ってしまう流れが最近のSNS文化の中で出来上がっていると思います。
もしも薫さんが、世界に向けてお気持ち表明しないとヴィーガン失格だと思っているのであれば、そんなことはないよということをお伝えしたいです。
(もし薫さんがやりたいと思っている場合は別なので、その場合は専用アカウントを作って発信してみるのはどうでしょう。本音を語っても、身元を明かすのと明かさないのとでは攻撃を受けた時のダメージもずいぶん変わると思います。)

身近な人はちゃんと認めてくれる

次にBの「秘密にしていると人付き合いで困るシーンが出てくるから」ですが、例えば焼肉に誘われたとき、ヴィーガンであることを開示していないと対処に悩みますよね。つど架空の理由をつけて断ったり、食欲がないフリをするのは限界があるだろうと想像に容易いです。一緒に食事をするくらい親しい人には、隠さず伝えておいたほうが自分が楽になれるかもしれません。
ヴィーガン=めんどくさい奴と思われるんじゃないかという幻想があったとすれば、それもネットのみで情報を得る弊害の1つだと思います。
薫さんがお友達に伝えたとき「めんどくさいから薫ちゃんと付き合うのやめよ」って思う人は居ないはずです。蕎麦アレルギーの子と蕎麦は食べに行かないよねという程度の話で、縁を切る切らないに発展するようなことではないですから、心配しすぎなくて大丈夫だと思いますよ。

完璧じゃなくてもかまわない

そしてCの「完璧なヴィーガンでなければ表明できないと思っているから」について。ヴィーガンという定義が曖昧(あいまい)なせいで、どこまでやれば「自分ヴィーガンです」と名乗ってよいか悩んでいる方、けっこう多い印象です。

英国ヴィーガン協会の定義:
可能な限り、食べ物・衣服・その他の目的のために、あらゆる形態の動物への残虐行為、動物の搾取を取り入れないようにする生き方。

運転免許証のようにライセンスがあるわけではないので、自分の気持ち次第なのですが、「ヴィーガンなのにそれは食べるんですね〜」とか「こんなことも知らないんですね〜」みたいなコメントを見すぎたせいで、突っ込みどころのない完璧なラインまで高めないとヴィーガンを自負してはいけないと思い込んでいるところってないですか?
完璧じゃなくても、自分が出来ることからやり進めるだけで、その行為はとても尊いです。
100% or nothingにせず、自分の物差しで“可能な限り”動物へ配慮すれば、それが自分なりのヴィーガニズムではないでしょうか。
さすがに「週7食べていたお肉を週6に減らしました」でヴィーガンを名乗るのは世間が許さないと思いますが、「あなたの使っているリップクリーム、蜜蝋が使われてますよね?」とか「ヴィーガンなのにワクチンは打つんですね」って、憤怒した外野に突っ込まれる社会もどうなんだろう…と思っています。あまり気負わずに、ヴィーガン(仮免)くらいの心持ちで続けてみてはいかがでしょう。

「かわいそう」は理屈で説明できない

いちばん難しいと思ったのが、「植物は殺してもいいんだね」という問いに腑に落ちる回答が出せないという件。これは誰かと戦うために理論武装したいわけではなく、薫さん自身どうしてそこに線引きをするのか、自分への理解を深めたいということですよね。わたしが思うに、薫さんが「動物がかわいそう」と感じることは理屈ではないので、その気持ちを理論立てて解明することは難しいと思います。

「かわいそう」「かわいそうじゃない」の線をどこに引くかは個人差があり、語り合うことを諦めなければどこかで回答が出る類のことではないと思うんです。
薫さんが動物と植物の間に線引きをするように、人と他の動物の間に線を引く人、大型動物と小型動物の間に線を引く人、脊椎動物と無脊椎動物の間に線を引く人も居ます。無数の線引きがあり、それらすべてがその人にとっての理屈では語れない正解なんだと思います。

一般的に、お花を摘み取ることは出来ても動物の皮を剥ぐことは出来ない人が多いですし、薫さんのように動物と植物の間に線引きをする人はマジョリティーだと思います。なので、そこにしっかり説明できるだけの理屈を準備しておかなくても大丈夫じゃないですかね。「植物は殺してもいいんだね」なんて投げかけてくる人はだいたいイジワルな気持ちで踏み込んできていますし、無視しても問題ないかと。
薫さん自身に興味を持って「どうしてヴィーガンになったの?」と聞いてくれるお友達に正直な気持ちを話しても、否定や押し付けと捉えられることはないと思いますよ。
長くなったわりにちゃんと回答になっているか謎ですが、すこしでも薫さんの気持ちが軽くなってくれたら嬉しいです。

naoco

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動物とコスメと都市伝説がすき。

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