【ヴィーガン認証】世界のヴィーガンマーク
ヴィーガンとは動物性食品を口にせず、いかなる動物消費をも避ける人々のことを指します。ヴィーガニストが食品や製品を選ぶ際、頼りにするものに〝ヴィーガン認証マーク〟があります。
「認証マークなんてなくたって、物を見ればわかるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、ことはそんな単純ではないのです。
例えば“オーガニックローズウォーター(架空)”というボタニカルな雰囲気の化粧水があり「これなら使えそう」と手に取ってみると、動物由来のグリセリンが配合されていたり、
“バター・たまご不使用”と書かれている一見OKそうに見えるクッキーも、甘味料になにが使われているかわからないと判断がつかなかったりします。(※白砂糖は精製時に動物の骨が使われる為ヴィーガニストは摂取しない)
わたしたちの生活を取り囲んでいる食品や製品には、思ってもみないところで動物性成分が使われていることが多々あります。
思想からの行動、宗教上の掟、体質的な問題、ヴィーガンである理由はさまざまかと思いますが、ヴィーガニストの意思が尊重されるためにヴィーガン認証は必要不可欠なプログラムなのです。
The Vegan Society | V-LABEL | ICEA VEGAN |
CERTIFIED VEGAN | VEGAN AUSTRALIA CERTIFIED | QV |
VEGAN APPROVED | VEGECERT | EVEVEGAN |
VEGANOK | ZnakuV | VEG_CERT |
NZVS | BeVeg | Vegan Korea |
VEGE PROJECT |
The Vegan Society/イギリス
1944年にイギリスで設立された世界で最も歴史のあるヴィーガン協会です。歴史が長いこともあり認知度も高いです。
“ヴィーガン”という言葉も、設立者のドナルドワトソンによって作り出されました。毎年世界中のヴィーガニストが祝う11月1日のWorld Vegan Day(世界ヴィーガンデー)も、ヴィーガン協会の設立に由来しています。(実際の設立日は1日ではないそうですが、そのへんは細かい事情があるみたい。)
運営•母体/本拠地:The Vegan Society(ヴィーガンソサエティー)/イギリス |
設立年:1944年 |
認証プログラム:1990年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ(または表記) |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類 |
認定数:45,000以上 |
更新:あり(12ヶ月または24ヶ月) |
公式ウェブ:www.vegansociety.com
V-LABEL/スイス
V-Labelは〝VEGAN〟ラベルと〝VEGETARIAN〟ラベルの2種が用意されています。どちらも国際的に認められた認証マークです。 スイスとオランダではとくによく知られています。
健康上の問題、宗教的な動機、環境への取り組みなど様々な理由でヴィーガン製品や飲食店を求める消費者にとって、V-Labelは信頼できる力強いガイドになっています。
運営•母体/本拠地:EVU(The European Vegetarian Union)ヨーロッパベジタリアン連合/スイス |
設立年:1988年 |
認証プログラム:1996年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 飲食店 |
認定数:30,000以上 |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.v-label.eu
ICEA VEGAN(イチェア ヴィーガン)/イタリア
ICEAのヴィーガン(またはベジタリアン)認定プログラムは、LAV Anti-vivisection Associationと共同で開発されました。LAVはイタリアに本部のある動物保護団体で、主に動物実験廃止のための活動をしています。
ICEA認証は「オーガニック」と「ヴィーガン」の2つに重点が置かれていますが、ほか自主認証スキームだけでも以下の種類があります。
運営•母体/本拠地:ICEA(Istituto per la Certificazione Etica ed Ambientale)/イタリア |
設立年:-年 |
認証プログラム:-年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類 |
認定数:– |
更新:– |
公式ウェブ:www.icea.bio
CERTIFIED VEGAN(サーティファイド ヴィーガン)/アメリカ
VEGAN ACTIONは、動物の尊厳を取り戻し環境への悪影響を減らすために尽力している非営利組織です。1995年に設立された歴史ある団体で財団も所有しています。組織の設立と同時期に作られたウェブサイトは、ヴィーガン関連のウェブ上メディアの先駆けです。(vegan.org、さすが一番乗りらしいドメインです!)アカデミックな記事はもちろん、ヴィーガンのおいしそうなレシピも満載です。ヴィーガニストが一度はぶつかる壁〝ペットには肉を与える〟ということ。VEGAN ACTIONはこの問題にもアンサーしています。菜食主義の枠を越え様々な社会活動を行っている団体です。
運営•母体/本拠地:VEGAN ACTION(ヴィーガンアクション)・VEGAN AWARENESS FOUNDATION(ヴィーガンアウェアネス財団)/アメリカ |
設立年:1995年 |
認証プログラム:2000年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類 |
認定数:– |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.vegan.org
VEGAN AUSTRALIA CERTIFIED/ オーストラリア
2012年オーストラリア各所からヴィーガングループが結集し、2014年にはNPO法人となりました。認証プログラムがスタートしたのは2018年とまだ最近のことですが、すでに1000以上の製品が登録されています。世界のヴィーガンニュースや国内のヴィーガンイベントを網羅していて、情報メディアとしての役割も大きいです。
これからヴィーガンを目指す人や学びたい人に向けて〝ヴィーガンスタータキット〟というおすすめガイドを集めているページもあります。
運営•母体/本拠地:Vegan Australia/オーストラリア |
設立年:2014年 |
認証プログラム:2018年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類, ペット用品 |
認定数:1000以上 |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.veganaustralia.org.au
QV(QualitàVegetariana)/イタリア
AVIは、イタリアで初めて設立されたベジタリアン協会です。ガンジーの平和主義思想をイタリアに輸入したことで知られている、政治家であり哲学者のアルドカピティーニによって設立されました。
AVIが提供するQualitàVegetarianaマークには〝VEGAN〟ラベルと〝VEGETARIAN〟ラベルの2種が用意されています。取得するには外部認証機関(CSQA)の検証が要求されます。
運営•母体/本拠地:AVI(Associazione Vegetariana Italiana)イタリアベジタリアン協会/イタリア |
設立年:1952年 |
認証プログラム:2011年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ |
認定対象:食品 |
認定数:30,000以上 |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.vegetariani.it
The Vegetarian Society VEGAN APPROVED/イギリス
ベジタリアン協会は19世紀に設立された、ベジタリアンの起源ともいえる歴史ある協会です。ベジタリアン協会は〝VEGAN〟と〝VEGETARIAN〟2種の認定ラベルを用意しています。英国で最も広く認識されているベジタリアンのシンボルです。サイト内にはベジやヴィーガンのレシピなども数多く紹介されており、オシャレなレシピ本を見ているようなワクワク感があります。これから菜食主義を目指す人へのHowToから菜食主義の歴史を紐解くアカデミックな記事まで、ベジタリアンのいろはが学べます。
運営•母体/本拠地:The Vegetarian Society(イギリスベジタリアン協会)/イギリス |
設立年:1847年 |
認証プログラム:-年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類, ペット用品 |
認定数:15,000以上 |
更新:– |
公式ウェブ:www.vegsoc.org
VEGECERT/カナダ
VegeCertはヴィーガンおよびベジタリアンの為に食品を認証する非営利団体で、〝VEGAN〟ラベルと〝VEGETARIAN〟ラベルの2種が用意されています。Toronto Vegetarian Association(トロントベジタリアン協会)と決議し高い基準を策定しています。VegeCertの検査はCOR(コーシャ認定機関の1つ)によって実施されますが、これはコーシャ認定食品とヴィーガン食品にはとてもクロスオーバーする部分が多いからです。認定調査は書面だけは完結せず検査官が製造施設を訪問します。
運営•母体/本拠地:VegeCert(ベジサート)/カナダ |
設立年:-年 |
認証プログラム:-年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ |
認定対象:食品 |
認定数:– |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.vegecert.com
EVEVEGAN/フランス
EVEVEGAN規格はビーガンフランス協会のメンバーによって制定されました。比較的新しい機関ですが、ヴィーガン製品、ヴィーガンサービス、ヴィーガン農業と幅広い分野を専門とする認定機関です。 世界中に配置されている監査人が生産現場で検査を実施し、監査レポートを発行します。
運営•母体/本拠地:EXPERTISE VEGANE EUROPE(EVE)/イギリス |
設立年:2016年 |
認証プログラム:2016年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類 |
認定数:2900以上 |
更新:あり(18ヶ月) |
ISO認定:ISO9001/ISO17065 |
公式ウェブ:www.certification-vegan.org
VEGANOK/イタリア
VeganOKはスタッフ全員が完全ヴィーガンであるという非常にユニークかつ説得力のある団体で、かつイタリアで初めてのヴィーガン認定機関です。情報サイト、レシピサイト、料理学校、テレビチャンネルなど、ヴィーガンに関連するたくさんのメディアや団体とのネットワークを活用しているところも特徴です。
運営•母体/本拠地:VeganOK/イタリア |
設立年:-年 |
認証プログラム:-年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品 |
認定数:14,000以上 |
更新:– |
公式ウェブ:www.veganok.com
ZnakuV(Vサイン)/ポーランド
動物保護の国際的な財団・VIVA!(ビバ!)がヴィーガン製品に与える認証マークが〝Znaku V〟です。動物保護と健康的なライフスタイルの促進を担っています。認定基準にパームオイルの項目が組み込まれているのは他にない特徴です。スナックや化粧品のために大量消費されるパームオイルの被害は地球規模の甚大な問題です。原産国のヤシを守ることは野生動物の命を守ることにも繋がります。
運営•母体/本拠地:VIVA!(ビバ!)/ポーランド |
設立年:1994年 |
認証プログラム:-年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, パームオイルナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品 |
認定数:– |
更新:あり(1年) |
VIVA公式ウェブ:www.viva.org.pl
Znaku V:www.znakv.pl
マガジン VEGE:www.vege.com.pl
VEG_CERT(ベジサート)/イタリア
VEG_CERTはbioagricert srlが管理する認証マークです。bioagricert srlは、認証にあたり技術者と専門家のグループが審査する団体です。設立の翌年にはIFOAMのパートナーになり有機規制と規範の整備に取り組んでいます。
VEG_CERTには〝VEGAN〟と〝VEGETARIAN〟2種のラベルが用意されています。
運営•母体/本拠地:bioagricert srl/イタリア |
設立年:1984年 |
認証プログラム:1996年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類, ペットフード |
認定数:– |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.bioagricert.org
VEGAN CERTIFIED NZVS/ニュージーランド
NZ Vegetarian Societyの理念は、動物虐待を減らし、人の健康を改善し、環境を保護し、世界の資源を保護するために菜食主義を増やすことです。
イギリスベジタリアン協会が所有する〝ベジタリアン協会承認〟を長年にわたりニュージーランドで管理しており、自主認証プログラムとしてヴィーガン認定〝NZVS〟を制定しました。
運営•母体/本拠地:NZ Vegetarian Society(NZベジタリアン協会)/ニュージーランド |
設立年:1943年 |
認証プログラム:2018年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ, 動物性遺伝子組み換えナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品 |
認定数:– |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.vegetarian.org.nz
BeVeg/アメリカ
BeVeg認定は法律事務所が制定しているという点が他になく面白いプログラムかなと思います。ヴィーガンは世界中どの国においても法律で定義されていないので、企業は勝手さまざまな主張が可能です。だからこそその分野に法のプロフェッショナルである弁護士が乗り込み、その主張に法的な責任を負わせるというのは意義のある試みです。
BeVegは〝ヴィーガンアルコール認証〟というプログラムも設けています。アルコールを醸造する段階にも動物性成分が使用されているケースがあるので、このラベルはヴィーガニストがお酒を嗜む際にとても役立ちます。(検索アプリあり)
運営•母体/本拠地:BeVeg International(ベーベジインターナショナル)/アメリカ |
設立年:2017年 |
認証プログラム:2017年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 衣類, 家具, 製造施設, 飲食店 |
認定数:– |
更新:あり(1年) |
公式ウェブ:www.beveg.com
アプリSearch Vegan Wine/Beer:App Store/Google Play
Vegan Korea(ヴィーガンコリア)/韓国
動物保護や環境保護を動機に、若年層を中心にベジタリアンが増加傾向にある韓国。国内にヴィーガン認定機関がなかったため、初めて韓内で設立されました。製造・加工・調理の過程で動物性成分や動物性副産物が含まれていないことを証明します。書類審査を通過した製品は、本当に動物性の成分が検出されないかDNA検査をする徹底ぶりです。
運営•母体/本拠地:(주)한국비건인증원장(Korea agency of Vegan Certification and Services)/韓国 |
設立年:2018年 |
認証プログラム:2018年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ, 動物実験ナシ |
認定対象:食品, 化粧品 |
認定数:420以上 |
更新:– |
公式ウェブ:www.vegan-korea.com
VEGE PROJECT(ベジプロジェクト)/ 日本
ベジプロジェクトは、代表の川野陽子(はるこ)さんが京都大学在籍中に〝学食にヴィーガンメニューを導入する〟というプロジェクトからスタートしています。ベジプロジェクトの活動はヴィーガンの社会的意義を発信するだけでなく、すでにベジやヴィーガンである人に「選択肢」を与えてくれます。学食の件もそうですが、ここ日本ではヴィーガンに対応したプロダクトも飲食店も少なくヴィーガニストは生きづらく苦労していると思います。当たり前の幅を広げ多様性を受け入れること。ヨーロッパとはまた違う日本ならではの活動をされているすばらしい団体です。
認証マークは〝VEGAN〟ラベルと〝VEGETARIAN〟の2種が用意されています。
運営•母体/本拠地:NPO法人ベジプロジェクトジャパン/日本 |
設立年:2016年 |
認証プログラム:2016年〜 |
認定基準:動物性成分ナシ |
認定対象:食品, 化粧品, 日常品, 飲食店 |
認定数:– |
更新:– |
公式ウェブ:www.vegeproject.org
VEGETIME(ベジタイム):www.vegetime.net
VEGE(ベジマップ):www.vegemap.org
いかがでしたが?オーガニックマーク同様、ヴィーガンマークも無数にあり、どれがどのような条件でつけられていてそれがほんとうに信頼出来るものなのかは果たして疑問です。なので背景がしっかりしている認証マークを覚えておくことは大切ですし、一口にヴィーガンといってもその定義は認定団体によって異なりますから、自分がなにを重視しているかを明確にしておきましょう。この記事がすこしでもあなたのヴィーガンライフの手助けになったら幸いです♪
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